【アバ的利休百首 vol.7】 点前には強みばかりを思ふなよ強きは弱く軽く重かれ ~いい加減ではなく「よい加減」を
昨日は
点前には弱みをすててただ強くされど風俗いやしきを去れ
って言っていたのに。。。笑
点前には強みばかりを思ふなよ強きは弱く軽く重かれ
■一般的解釈
こうでなくてはならない!と言うと、極端にそちらのほうに流れてしまうことはよくあることです。そんなことへの戒めが込められた一句。
つまり、ただ単純に強ければいいのではなく、弱さを理解した上での強さ。軽さを知った上での重さ。何につけても「よい加減」にすることが大事だという教えです。
■アバ的解釈
茶道の世界=ガチガチのルールでしばれれている
と思われがちですが、結構アバウトに規定されていることも少なくありません。
(具体例は利休百首の中盤あたりから続々と登場しますのでお楽しみに!笑)
そうなると
「まあ、君の良い感じで決めてみなはら」
と決断を迫られます。笑 今の人たちは「自分で決めなさい/決めていいよ!」というと決められないようですね。すぐに
「えっ。決めたことを教えてください」
ということになります。。。汗 仕方なく先生が、
「では、こんな感じで!」
と道筋をつけてあげたつもりが、もうそれ以外はない!これで決まり!みたいに思い込んで突き進んでしまいます。今の人、なんてちょっと偉そうな表現を使ってしまいましたが、たぶんこれは古の時代から変わらないのでしょうね。
だから、目に見えるお点前において強すぎてもダメですよ!弱すぎてもダメですよ!
目に見えない心においては軽すぎてもダメですよ!重すぎてもダメですよ!と、もてなすお客様を見ながら最適な解を見つけてくださいねという利休様からもありがたい教えですね。
はい。そうです!
これって決してお茶だけに言える事ではないですね。
普段の生活だって同じです。お風呂の「湯加減」だって、料理の「味加減」だってそのときどきにあわせて変化させますよね!
言われたことが全てではなくて、一生その「加減」はチューニングし続けなければいけませんね!(自分への戒めも込めて!)
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■ 参考文献
淡交社
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