【アバ的利休百首 vol.10】 濃茶には点前をすてて一筋に服の加減と息をちらすな ~技術じゃない!どれだけ「こころ」を込められるかだ!
さらに実践的な内容と思いきや
やはり何はともあれ「こころ」なんですね。
濃茶には点前をすてて一筋に服の加減と息をちらすな
■一般的解釈
昨日の
【アバ的利休百首 vol.9】点前こそ薄茶にあれと聞くものを麁相(そそう)になせし人はあやまり
で簡単に茶事(お茶のフルコース)についてご説明いたしました。
このフルコースの中のメインディッシュとなる『濃茶』についての心得です。
「点前」とはお茶を練る(「濃茶」は点てるではなく「練る」と表現します。)ことです。
つまり、点前手順や所作を上手にするよりも、心を込めておいしいお茶をお出ししよう!
という気持ちが大事ですよ!ということです。
もちろん、言葉通り「点前は適当にやりなさい!」ってことではないですよね。
一に「こころ」、二に「点前」ということです!
「息をちらすな」は?って。わき目も降らず、一心不乱にお茶のことだけに集中してね!
ってことです。笑
■アバ的解釈
あまりいい例えではないかもしれませんが、
彼女がすっごく頑張って作ってくれた料理。見た目はちょっと。。。だけども
「僕のために作ってくれたんだ!」
という気持ちがこもった料理っておいしく感じますよね?ちょっと極端な例から
スタートしてしまいましたが、同じことなんです。
「濃茶」
僕が言うのも変ですが、おいしく練るのはと~~~~っても難しいんです。
(今度、お稽古でやりますからね!笑)見た目上は普通に練れているようでも
飲むと
「ダマダマ。。。苦い。。。粉っぽい。。。」
ということがまあよくあります。笑
だから、本来はすっごく「技術」がいるお点前なんです。利休様はそれを誰よりも
よく分かっていたからこそ、
「技術を超える、こころで勝負しなさい!」
と言いたかったのではないでしょうか?『技術』は「年月」に比例しますが、
『こころ』は「年月」には比例しません。初めての人でも、
「おいしいお茶をお出しするぞ!」
と心の底から思うことはできるはずです。そして、その想いはちゃんとお茶に
伝わります!そしてそして、何よりも大事なメインディッシュの「濃茶」だから
こそ、その気持ちをピークに持っていくことが
「最高のおもてなし」
だと思いませんか?たいした道具はなくとも、「こころ」だけは最高のものを!
でも、やっぱりこれもお茶だけに言えることではないんですよね。
仕事にしても、恋愛にしても目に見えることではなくて、この「こころ」を
どれだけ伝えられるかが一番の武器になるのでは?笑
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■ 参考文献
淡交社
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