【アバ的利休百首 vol.31】 花見よりかへりの人に茶の湯せば花鳥の絵をも花も置まじ ~相手の期待を超える「感動」を!もてなしの極意!!
昨日は、開きすぎた茶花は渡すなよ!という『プレゼントの極意』でしたね。
「花」つながりで人をおもてなしするときの極意について迫ってみましょう!
花見よりかへりの人に茶の湯せば花鳥の絵をも花も置まじ
■一般的解釈
花見帰りの人にお茶一服差し上げるとき。
床に花や鳥をあしらった掛け軸や花を飾ったとしても
今まさにステキな花を見てきた人に対しては何のご馳走にもなりません。
花に限らず同じ事を何度も繰り返されると、嫌気がさしてきますよね?
茶の湯では「重複」を嫌います。道具の組み合わせでも同じ系統のものが
重ならないようにします。
この先も「重複」を戒める句がいくつも登場します。
その入門的一句
何においても重複は避けるべし
■アバ的解釈
利休さまと秀吉の有名な逸話があります。
まさに今日みたいな暑い日。
秀吉が利休さまのおうちに遊びに行きました。庭一面、
見事に『朝顔』が咲き乱れていました。秀吉は
ステキな朝顔ではないか!よし茶事を催せ!
と言われたそうです。翌日、利休さまは秀吉をお迎えして茶事を
開催されましたが、到着した秀吉が開口一番!
何~!庭の朝顔が全部むしられてるやんけ!
利休めェ~。俺が朝顔目当てに来たのを知っていて
何事じゃ~!
怒り心頭のまま、いざ茶室へ。床には一輪の「朝顔」。
秀吉は心の中で
やられた。。。
と想ったことでしょう。ちょっと脚色してみましたが、
この考えも
花見よりかへりの人に茶の湯せば花鳥の絵をも花も置まじ
に通じますね。前日の状況で茶事を迎えていたら、重複した演出であり
それ以上の感動を生むことはなかったでしょうね。この句は重複を避ける
という意味もありますが、
前の感動を越える、感動を!
というメッセージもあるのではないでしょうか?
何につけてもおもてなしさせて頂く以上、参加する人の期待値を超える!
それはお茶だけではなくて、仕事でも同じですよね?同じ事をしていても
その感動は薄れていきます。つねに昨日の自分を越える!大事なことですね。
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■ 参考文献
淡交社
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