【アバ的利休百首 Vol.37】 茶入又茶筅のかねをよくも知れあとに残せる道具目当に ~心の位置の決定。できてますか?(ドキ!)
昨日は『位置の決定』についての句でしたね。
位置の決定について言及している句はまだまだあるんです。
ということで、今日は一番身近な道具「茶入」と「茶筅」の
位置についての句です。
茶入又茶筅のかねをよくも知れあとに残せる道具目当に
■一般的解釈
「茶入」はお茶を掬うごとに、「茶筅」はお茶を点てるごとに動きます。
お茶の基本は「あったものは元の位置へ」です。一番動くこの道具たち、
元の場所に帰れないことが多いのです。でも、置く位置に目印をつける
わけにはいきませんよね。。。
ということで、
茶入を戻すときは「茶筌」を
茶筅を戻すときは「茶入」を
目安にして一直線上に戻すようにしましょう!という教え。
■アバ的解釈
今日もマニアック度に拍車がかかってきましたね。。。汗
これをどうやったら一般化できるのか?頭を悩ませる今日この頃
ですが、こういうときは
困ったときの「動画」頼み!
ということで、
茶筅を取って、戻すときは残っている「茶入=棗」を目安に
戻しましょう!(撮影しながら戻すって至難の業だ。。。笑)
元あったところに戻す
そんなん簡単でい!と思いがちですが、意識しないとすぐに
ズレます。こういう細かいところまで神経を行き渡らせるのは
本当に「集中」していないとダメですね。
お茶のお点前って面白いもので、その日の体調や精神状態がモロに
出ちゃうんです。仕事で失敗して、落ち込んでいるときにお点前を
するとその心の動揺が出てしまいます。
なので「位置の決定」など細かいところがおろそかになったりします。
また、不思議や不思議!お茶の味まで変わるんですよ?
落ち込んでる味の抹茶
飲みたくありませんね。。。笑
それだけ繊細なものだと、改めて痛感させられます。
つまり、
お茶を点てる「順序」を覚えて、お茶を飲む。
と単純に文化活動をしていると考えるよりも、自分がどんな「位置=状態」
にあるのかを再認識する『場』と考えるとまた違った視点でお茶と付き合える
気がしませんか?昨日も書かせて頂きましたが、
一、位置の決定
二、順序
三、動作
点前において、手順を覚えるよりも「位置の決定」に重きを置くように
茶道全般を捉えるにあたっても、点前という「順序」が第一ではなく、
自分がどの「位置=状態」にあるのか?
と自分の位置を確かめることを第一にしなさい。結局は『元の位置=初心』に
戻るのだから、そのための道しるべとなるのは一番近くにあるものなのだよ!と
利休さまは言いたかったのかなあ?(なんちゅ~拡大解釈。。。笑)
茶入又茶筅のかねをよくも知れあとに残せる道具目当に
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■ 参考文献
淡交社
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