【アバ的利休百首 Vol.38】 乾きたる茶巾使はば湯はすこしこぼし残してあしらふぞよき ~茶の湯チームワーク。腕の見せ所です!!!
昨日・今日は京都でお茶の研修でした。
昨晩はチームのメンバーと「茶道とは?」について激論バトル。笑
同じように茶の湯を志すメンバーとの話しは面白いものですね。
さて、今日は「心をつなぐ」についての句です。
乾きたる茶巾使はば湯はすこしこぼし残してあしらふぞよき
■一般的解釈
茶巾。
地味な道具ですが、茶碗を清めるために使う「麻の布」です。
水に濡らして、よ~く絞って畳んでおきます。
何かと脇役に回りがちですがこの佇まい。凛々しいですね。笑
本来は、、お点前をする直前に絞ってちょうどよい湿り気にして
おきます。
ちょっと置いておくだけで、どんどん乾いていきますよね?
あってはならないことですが乾いてしまった場合、茶碗にお湯を
注いだときにちょっとだけお湯を残しておきましょうという教えです。
■アバ的解釈
あってはならないこと。それなのにそのリカバリー方法をわざわざ
書き残している。気になりますね。
茶巾が乾いていたら、茶碗に湯を残しておきましょう
それだけじゃない気がしますね。何かもっと深~い意味があるはずです。笑
お茶会だと、準備からお点前、片づけまで全部自分でやるのは難しいものです。
そこで
お茶を点てる人 = 亭主
お茶を準備する人 = 水屋
と言います。ということは、茶巾を準備するのは「水屋」の仕事になりますね。
準備万端!さあ、お茶を点てるぞ!
と意気揚々と亭主がお点前を始めたところ、茶巾が乾いていた!?汗
亭主は焦りますね。何せ、茶巾が乾いていると茶碗を拭いたとき、滑らない
滑らない。
コラ!水屋、茶巾が乾いているじゃねえかよ!
ではいけません。「水屋」あっての「亭主」です。茶会は『チームワーク』が
命!パートナーの「水屋」が失態を侵したとき、それを挽回するのがチームです。
そして、「亭主」として表に出ている人はそれを感謝しなけばいけませんね。
でも、これってどんな世界にも当てはまりますよね。
役者さんなら、マネージャー、メイクさん、ADさんなどなど。
小説家さんなら、編集者。どんなことも自分一人では何も出来ないことを
理解しなさいよ!と利休さまに言われている気がしてなりません。
「茶巾」のことを言っていると思ったら
こんな奥深い一句だったのですね。笑
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■ 参考文献
淡交社
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