【書評】 茶の湯の歴史/神津朝夫 ~茶の湯の「原点」と「今」を探る!
2011.08.26
どこから「茶」が伝わり、現代に至る「茶道」はどうやってできたのか?
「茶道は奥深い!」
改めてそんなことを思い知らされる一冊でした。
そもそも「茶」は栄西が中国から持ち帰ったと言われていますが、
本当にそうなのか?「茶」に関する書物の論点をつなぎあわせて
おかしなところはないか?
本当は日本に自生していたのではないか?
などと面白い視点で話はスタートしていきます。
さらに進み「千利休とは?」というところが茶の湯をたしなむ人
にしたら興味津々なところでしょう!
「南方録」や「利休百首」など利休のことを記した文献の多くは
利休死後、100年近く経過した江戸時代に書かれています。人間の記憶
なんてあいまいなものですから、利休が生きた時代の文献とそれらの文献
を照らしあわしてみると大きな矛盾が発生する!?
では、それらの真実はどこにあるのか?
そして、「近代・現代茶道」はどのような変化をたどった末にたどり着いた
のか?という後半部分は茶道を教えさせて頂く側としてはとても勉強になる
箇所が多かったですね。今のカタチは決して古いものではなく、ちゃんと時代
にあわせて変化してきていることを理解すること。
今の時代に合う「茶道」とは?
もう一度考え直してみるきっかけになりそうです!
追伸:
利休に関する文献で一番信頼度が高いとされているのは
山上宗二記
といわれています。僕も頑張って原文を読んだことがあるの
ですが、正直言ってちんぷんかんぷん。。。笑 ということで
今回はちょっとやさしい入門本を読んでみようと思います!