アバンギャルド茶会 コラム茶の湯コラム 【アバ茶コラム Vol.9】井戸茶碗 vs 近代・現代茶椀 ~どんな企画展に行けばいいんでしょうか?

【アバ茶コラム Vol.9】井戸茶碗 vs 近代・現代茶椀 ~どんな企画展に行けばいいんでしょうか?

2013.11.26

茶の湯コラム


【アバ的書評】「茶道」雑誌のオンパレード!? レベル別に必読雑誌をご紹介!

先日アップした書評、
いろんな方から「わかりやすかったです」と連絡を頂きました(ニヤリ。笑)

あわせて「どんな企画展に行ったらいいですか?」という質問をされたので
ふたつの「茶碗」に関する企画展について書いてみたいと思います。

井戸茶碗 戦国武将が憧れたうつわ
根津美術館 2013年11月2日(土)~12月15日(日)
井戸茶碗展

現代の名碗
智美術館 2013年9月14日(土)~2014年1月5日(日)
現代の名碗

玄人好みの根津美術館「井戸茶碗展」

プロの陶芸家とは断然、根津美術館「井戸茶碗展」見に行った?という話しになります。
『井戸茶碗』といえば、茶道具の筆頭「茶碗の代名詞」ですから作り手としては見逃せない
企画展のひとつです。

こんなこと書いたら怒られますが、普通に見たら

 「あの薄汚れた茶碗のどこがいいんだ?」

と感じるはずです。さらに同じ形の茶碗が70個近く並んでいるので、何だか「井戸茶碗酔い」
しちゃうんじゃないかと。。。笑(裏を返せばここまでそろって圧巻!なのですが。)

僕も茶道を始めたころ、古い道具の良さを感じることができませんでした。というよりも
理解できませんでした。見てキレイ、恰好イイというところからスタートして、そこに茶道
が持っている歴史的背景や意味性を知るにつれて、感覚的に「いいかも!」と思えるように
なってきました。

小説でも若いころに読んだら、何を言いたいのかわからなかったのに大人になって読み返したら
「なるほど、こういうことか!」と妙に納得した経験ありませんか?井戸茶碗をはじめとした古典の
道具とはこの感覚なのでしょうね。

ですから、根津美術館「井戸茶碗展」は玄人向けの企画展なんですね。
つまり、予備知識なくこの展示を見て何かを感じた人はかなりハイセンスですね!

アート感覚の智美術館「現代の名碗」

一方、智美術館「現代の名碗」は現代アート感覚でを楽しむことのできる「茶碗」展です。
じゃ~、大したことないかというとそんなことはなくて、近代の歴代名工 川喜田半泥子
加藤唐九郎、金重陶陽、三輪壽雪など名だたる陶芸家の作品が手に届く距離に並べられて
います!

普通、美術館の展示と言えば「ガラス越し」というのが普通ですがここは肉眼でまじまじ
と見ることのできる、とても贅沢な空間です。さらに30代の若手陶芸家までとかなり幅広い
バリエーションで展開されているのでどれかひとつは自分好みのものを見つけられるはずです!

「自分好み」の茶碗を見つけたら、その系風をたどって調べてみるとどこかで古典の道具に
行き着くはずです!こんなところからスタートしてみると新しい発見もあり、楽しく茶道具=茶碗
の世界に入っていけるのではないでしょうか?

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