【アバ茶コラム Vol.11】「お・も・て・な・し」を漢字で書くと『表無し』?なぜ? 2020年に向けて新定説!
2013.12.13
【アバ茶コラム Vol.10】「脱・マニュアル主義」で「おもてなし」はできるのか?
前回のコラムでは「茶道も意外と型にはまりきっていない!」というお話しをしました。そこで「おもてなし」についても書きましたが、今回はその「おもてなし」に焦点をあてたお話しです。
「おもてなし」を漢字で書くと?
言わずもがな、2020年「東京オリンピック」誘致の最終プレゼンテーションで脚光を浴び、「新語・流行語大賞 2013」も受賞した「おもてなし」。(テレビを見ない&天邪鬼の近藤は、滝川クリステルのプレゼンテーションは未だに見たことがありません。笑)
この「おもてなし」、漢字でどう書くかご存知ですか?
『御持て成し(持て成す)』
いろいろなものを持って、成す=作り上げるという意味です。これだけでも「なるほど」なのですが、昔友人の社会学者が興味深い話をしてくれました。彼曰く、
『表無し』
なのではないか?という説。
日本人の文化的背景
「阿吽の呼吸」に代表されるように、言わずとも通じるあえるという国民気質です。他アジア・欧米諸国ではこうはいきません。文化も言語も複雑に入り組んでいますから自分のやったこと(=実績)をはっきりと主張しなければ成果として認めてもらえません。でも、日本人は文化的・宗教的背景が同じ単一民族だから阿吽の呼吸が通じるのです。つまり、主張せずともその裏で起きていることを自然と汲み取ろうとします。
以前、「茶会のフルコース(=茶事)」について書いたことがあります。
茶事とは、4時間かけて前半に懐石料理を頂いて、後半に濃茶・薄茶を頂くことがおもてなしです。はじめての方だと4時間と聞くだけで「すごいなあ~!」と思うはずです?
「表」と「裏」の割合
同時に準備にはどれくらいの時間や苦労があっただろうか?と詳細を語らずとも想いを巡らすことができるはずです。実際には事前準備だけではなく、終わった後の片付けなどのほうが圧倒的に大変なのですが。。。笑
つまり、「裏=準備」でやっていることのほうが圧倒的に多く、「表=本番」に出てくる部分は『無い』に等しいくらい小さいというのが彼の『表無し』の根拠です。しかし、この感覚を理解できるのは『日本人』だけなんでしょうね。。。笑
一方、こういう考えを理解できる日本人が減ってきているような気がします。2020年に向けて本物の「お・も・て・な・し」!を世界の皆さんに知って頂くために改めて出来ることを考えてみたいものですね!