【茶の湯とビジネス Vol.3】茶の湯は、シリコンバレーの二大ブームをおさえている?
前回は、「茶の湯」と「茶道」の違いから「茶道というビジネスモデル」について書きました。
500年近い歴史を持つ「茶の湯」文化。多くの方が、「古びた」イメージを思い浮かべると思いますが、実は最先端な文化に感じるのは僕だけでしょうか?世界的なブームになっている、とある2つのことを兼ね備えているのですが、何だかわかりますか?
「心」と「体」のバランス
アバンギャルド茶会の活動初期(2010年)、世田谷区が健康増進を目的とした「健やかプロジェクト」という助成金を頂きました。アバ茶が健康増進?と思われるかもしれませんが、お茶には「心=禅の精神」そして「体=抹茶による健康効果」という両側面を持っていることに着目して、「茶道を通じて、心と体の健康を!」という内容で申請しました。
ストレス社会において「心」と「体」のバランスを保つことが大切と言われています。シリコンバレーなどまさにストレスとの戦いに勝つことが求められるアメリカでは「マインドフルネス」や「スーパーフード」という考え方が提唱されていますが、実はこの二つの原点は日本にあると思いませんか?
マインドフルネスは「禅」
アップル創業者「スティーブ・ジョブズ」も禅を愛した一人と言われています。茶道と禅は密接な関係にあり、禅を愛好したアメリカ人の中には「茶道」にも興味を惹かれた人も少なくありません。、
忙しくしている人ほど、強制的に自分と向き合う時間を作ることで、ストレスから一時的に開放させることで「心」の充足やバランスを図ることが必要ということから生まれた概念なのでしょう。僕も茶道のお稽古をつけてもらうときは、仕事に追われれていることや悩み事から一時的に離れることで改めて自分の置かれている状況を客観的に見る時間と捉えています。(この境地?意識を感じるようになるまでには3年近い時間を要しましたが。。。笑)
「抹茶」はスーパーフード?
低カロリーで、特定物質の含有量が飛びぬけて高いものを総称して「スーパーフード」と呼ぶそうです。(細かい定義は下記引用を参照)
世界の一流料理人が今、一番注目しているのは「日本の発酵技術」なのだそうです。発酵や熟成というプロセスによって、栄養価や旨みが飛躍的に伸びるその技術は、まさに「素材を活かす」日本料理の神髄なのでしょう。
緑茶を一日「5杯」飲み続けると、死亡リスクが15%低下するという学会発表がされています。(ガンへの有効性は証明されていませんが、心臓や血管の疾患には有効)緑茶は「茶葉の抽出液」ですが、抹茶は茶葉を粉砕したものなのでより効果的に栄養素を摂取できます。
事実、茶道を長年している方は本当に元気です。笑
僕自身も抹茶を毎日飲むようになって、定期的に風邪をひいていましたが、ここ数年風邪をひかなくなりました。まさに「スーパーフード」だと思いませんか?本家本元で「緑茶」はスーパーフードに定義されていませんが、「日本スーパーフード協会」が推奨する「ジャパニーズ・スーパーフード」には組み込まれています。最近、ニューヨークをはじめ海外でも「抹茶ブーム」が巻き起こっていますので、世界的に認知されるのも時間の問題でしょう。
茶道は「マインドフルネス」と「スーパーフード」を同時に叶える
つまり、茶道は「マインドフルネス」と「スーパーフード」の両側面を兼ね備えたものだと思いませんか?
「茶道の凄さってなに?」
と外国人の友達に聞かれたとき、このように答えたら
「確かに!」
という反応!
ビジネスパーソンで茶道を始める方にも、茶道は「文化」としての価値だけではなく、ビジネスの世界を生き抜くための要素もたくさん含まれていると話すと俄然興味を持ってもらえます。改めて、流行り言葉にのっかる形でまとめてみました。笑
スーパーフードとは?
スーパーフードの始まりは1980年代頃のアメリカやカナダで、食事療法を研究する医師や専門家の間で、有効成分を突出して多く含む食品に対して「スーパーフード」という言葉が使われはじめました。そして、アメリカでは2000年頃からロー・リビングフードといった低温調理法がブームになるのですが、この調理法がスーパーフードの含有成分を活かすために最適であったことから、ロー・リビングフード実践者たちの間でスーパーフードが人気となります。
スーパーフードが一般に広まったのは、アメリカの医師スティーブン・プラットの著書『スーパーフード処方箋〜あなたの人生を変える14の食品』(2004年)によるところが大きいでしょう。この本ではスーパーフードを「健康によい栄養分を豊富に含みながら、多くは低カロリーである食品」と定義し、抗酸化作用が高いもの、老化や生活習慣病の予防によいもの、がんのリスクを遠ざけるものなどを紹介しています。取り上げている食品は身近な野菜や果物も多く、りんごの皮や人参の葉も丸ごと食べるといったマクロビオティックの一物全体(ホールフーズ)に近い面もあったり、食品に含まれる複数の栄養・健康成分が体によい「薬」となるという、中国の薬膳や漢方にも通じるところがあります。もう一冊、アメリカでスーパーフードのバイブルといえるのが、ロー・リビングフードのカリスマ、デイヴィッド・ウォルフの『スーパーフード』(2009年)です。この中では一般的な野菜というよりもスピルリナやカカオ、ココナッツ、クコの実などいわゆる「健康食品」といえるようなものを取り上げています。単に栄養面ですぐれているというだけでなく、ある特定の有効成分の含有量が飛び抜けて高いもの、ごく少量で栄養・健康成分を効率的にとれるものこそ「スーパーフード」という見解です。
(一般社団法人 日本スーパーフード協会 ホームページより抜粋)