アバ茶好み Vol.2「過保護な茶入」
2024.02.29
圧倒的なセンスを持っていた「千利休」は見立ての名人と言われていました。
※「見立て」とは本来茶道具ではないものを茶道具に見立てて使うこと。
今回紹介する茶入も見立てです。陶芸家 潮桂子さんの個展で丸壺の一輪挿しとして販売されていたものです。その時は「かわいい!」というだけで購入したのですが、「もしかしたら茶入にもいけるのでは?」と思ってからが長かった。。。笑
牙蓋(象牙の蓋)もなければ、仕服(茶入専用の服)もありません。
ということで、まずは牙蓋探し!以前、知りたいの学芸員に紹介してもらった古物の牙蓋を売っている古道具屋へ!
ジャストサイズの牙蓋があればラッキー!なのですが、ここでもお茶の運気が味方してくれます。(実はこのとき茶入を3つ持って行ったのですがすべてジャストサイズ発見!笑)
さらに、「茶入」には「仕服」が必要です。ファッションでいうところの「オートクチュール(オーダーメイド)」の服ですね。茶入の形状やサイズはバラバラなので、茶入ごとに仕立ててあげる必要があります!
ちなみにこの仕服の裂地は、袴を仕立ててもらったときの端切れです。これで、ようやく最低限「茶入」として使える状態になりました。でも、これで終わらないから大変?楽しいんです!これをしまっておく桐箱も作ってあげる必要があるんですね。
せっかくここまで作りこんだんだから、もういっちょやってやろう!ということで桐箱にいれる前に「挽家(ひきや)」という特注の入れ物にいれてあげて、さらに仕服まで着せちゃいました!まるでマトリョーシカみたいで、どれだけ過保護にするの?という感じです。
そして、仕上げの桐箱!
それにしても丸裸からひとつひとつ自分好みに仕立てていくのはとても贅沢で楽しい時間でした。これがいいかな?あれがいいかな?と考えている時間が一番楽しいですね。