【アバ的利休百首 vol.8】 何にても道具扱ふたびごとに取る手は軽く置く手重かれ ~華麗な手つきは美しい
少しずつ、実践的な内容になっていきます。
でも、その教えの中にも!
何にても道具扱ふたびごとに取る手は軽く置く手重かれ
■一般的解釈
茶道では様々な道具が登場します。例えば、お茶を点てるのに必要なお湯が入っている「お釜」。
たっぷりとお湯が入るといかにも重そうな感じがしますね。でも、それをいかにも重そうに持ったら野暮ったい。。。逆に、茶杓や茶筅のようにいかにも軽そうなものをまさに軽く扱ったら雑っぽい。
だから、重いものは軽く。軽いものは重く扱う。
そして、取るときはさっと!(だって、何も持っていないのですから素早く。)逆に置くときはどっしりと!(だって、大事な器物を持っているのですから大切に!)
■アバ的解釈
のときに『序破急』のお話をしましたね。動きの緩急をつけることでお点前にメリハリをつけて格好いい姿で!と書かせて頂きました。
今回はスピードではなくて『所作の強弱』といったところでしょうか?
ありのままをありのまま表現したら、何だつまらないの!ってなりますよね?
例えば、疲れているときにいかにも疲れている感じをアピールしている人はちょっとダサいですよね?笑(僕も疲れているときこそ、しゃきっとするぞ!と心では思っているのですが、体がそう表現してくれないようで。。。汗)
渡されたいかにも重そうな荷物。それをまさに重そうに持ったら相手が
「しまった。悪いことをしたなあ。。。」
と思わせてしまいますよね?でも、頑張ってちょっと軽そうに扱ったら相手もホッとします。部下から渡された書類をヒョイっと扱ったら、
「あんなに頑張ったのに。。。な~んだ、そんなものかあ。。。」
とがっかりさせてしまうかもしれませんね。でも、軽い書類も重厚感あふれる所作で持ったら、それだけで大事に扱ってくれているんだ!って伝わりますよね?言葉には出ない、これらの『所作』から伝わるものは想像以上に大きいですし、まさに日本人ならではの感性ですよね?
「何にしても道具扱ふ」
ですよ!ちょっとした所作かもしれませんが、そのちょっとが意外と大きいんですね!
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■ 参考文献
淡交社
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