【アバ的利休百首 vol.12】 とにかくに服の加減を覚ゆるは濃茶たびたび点てて能くしれ ~何事も「目で盗め」的な発想で!笑
茶事(=茶会のフルコース)のメインディッシュ「濃茶」
についてのお話が続きます!
とにかくに服の加減を覚ゆるは濃茶たびたび点てて能くしれ
■一般的解釈
『服加減 = おいしい濃茶を点てる』
何度も経験して、自分の体に最高な服加減の感覚を
覚えさせるしかないのです。おいしく点てるための「コツ」は
言葉だけでは説明できるということですね。
昔の逸話で、濃茶一人前になるためには「一貫目=4キロ」分
点てないとダメだ!と言われていたそうです。。。単純計算で200回以上
です。。。汗 (ちなみに僕も初めて茶事をしたときは事前に20回くらい
やりました。。。胸焼けしました。。。笑)
■アバ的解釈
濃茶をおいしく点てるのは「自転車を乗る」のと同じ?
ハンドル握って!真っ直ぐにして!バランス取って!
これ以上アドバイスできません。。。あとは何度も乗って、転んでを繰り返して
感覚を覚えるしかありませんよね?自転車の乗り方をロジカルに説明して
一発で乗れるようになったら!ベストセラー間違いなし。笑
お茶も同じです。これは濃茶に限らず、薄茶も。
お茶をおいしく点てるポイントは2,3しかないのですが、それを知ったからと
いってすぐにおいしく点てられるわけではないんですよね。(本当に難しい。。。)
【アバ的利休百首 vol.5】上手にはすきと器用と功績むとこの三つそろふ人ぞ能くしる
にも書きましたが、
お茶のおいしさ = 点てた回数
に比例するのですが、ただ点て続ければいてもうまくならない気がします。
どうすればおいしく点てられるか?
と自分なりに考え、改良を加え、自分だけのおいしく点てるポイントを探す!
ということが回数以上に大事なはずです!
昔の職人さんは、
すぐ聞くな!『目で盗め』(背中を見て育つ的な!)
と、よく言ったそうですが教えるのが面倒くさいのではなくて、言葉では伝えられない
感覚は自身で感じるしかないんですよね。とても日本人的な感覚ですがこの感覚、
結構好きです。
今は、何でもかんでも教えてしまうので「考えること」を放棄しがちです。
だから、あえて「目で盗め!」的な教育を導入して「考える訓練」をしてみるのは
如何でしょうか?(意外とこっちのほうが大変なんですよね。笑)
※本来、「濃茶は練る」と表現するのですが便宜上「濃茶を点てる」と記載しております。
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■ 参考文献
淡交社
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