【アバ的利休百首 vol.13】 よそにては茶を汲て後茶杓にて茶碗のふちを心してうて ~道具の扱いには細心の注意を!
いよいよ道具の扱いについての
句が本格的にスタートしますよ!
よそにては茶を汲て後茶杓にて茶碗のふちを心してうて
■一般的解釈
お茶を点てる手順の中に、
茶杓でお茶をすくって茶碗に移す
↓
茶杓を茶碗の縁に軽く打つ
という所作があります。茶杓に付いた抹茶を軽く落とす所作ですが
まあ、全部落ちることはありません。笑 なので頑張って全部落とそうと
思いっきり打つと茶碗が割れたり、茶杓が折れたりすることがあります。
なので、細心の注意を持って!特に自分の道具ではなくて誰かのところで
代わりにお点前をするときなどはなおさらに!という心得です。
■アバ的解釈
ちょっと不思議だと思いませんか?
なぜ、こんなピンポイントな心得があるのか?
確かに、年代物の茶碗は使い込んでいてちょっとしたことで欠けてしまう
なんてことは良くあることです。茶杓も細いものはちょっとしたことでポキっと
折れてしまうものです。
だから、
「細心の注意を払って打ち付けなさいね!」
というだけではあまりにも当たり前すぎるような気がします。
一歩踏み込んで、
「道具は、心を込めて思いやりを持って扱ってくださいね!」
ということを利休様は伝えたかったのではないでしょうか?
茶道では、割れやすいものが多いので当たり前ですが道具と道具が
ぶつかることをすっごく嫌います。そのため、意図的に道具と道具を
ぶつける所作は限りなく少ないのですが茶杓で茶碗を「コツン」と打つ動作は
一番象徴的な気がします。
だから、あえてそこをクローズアップしているのかなあ?何て考えてみました。
ただ、打つときは気をつけなさいよ!というメッセージではなくて、何につけても
お道具は大切に扱いなさいね!
そして、誰かの道具を使ってお点前するときはなおさらに借りていることへの感謝
と「心」を込めて!
道具を大事に扱いなさい!と抽象的に言われるよりも、この場面では細心の注意をね!
と言われると何だか納得感がありますよね?またもや、大きく解釈しちゃいましたね。笑
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■ 参考文献
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