【アバ的利休百首 Vol.45】家はもらぬほど、食事は飢えぬほどにてたる事なり
朝型も定着してきました。笑
2012年、「アバ的利休百首」も本格始動です!先日もご案内致しましたが
今年は千利休 茶の湯の秘伝書とされる「南方録」を題材にしながら、アバ茶的
に解釈をしていきます。
家はもらぬほど、食事は飢えぬほどにてたる事なり。
これ仏の教、茶の湯の本意なり。(南方録 覚書三)
■一般的解釈
利休さまが最終化した「草庵茶」。
四畳半以下の「小間」と呼ばれる小さな空間で、身分やしがらみを
取り払った究極的にそぎ落とした「マイナスの美学」。その精神は、
仏教=「禅」に通ずるものがたくさんあるのです。
利休が追求した「茶の湯」とは本来、必要最低限の中にこそある。
だから、立派な家や贅沢すぎる食事は不要!心の鍛錬を怠らないこと。
そんな想いが凝縮されたメッセージです。(何だか現代の茶の湯への戒め?に
感じるのは僕だけでしょうか。笑)
■アバ的解釈
この一文には続きがあります。
水を運び、薪をとり、湯をわかし、茶をたてて、
仏にそなへ、人にほどこし、吾ものむ。
おもてなしをする心があるならば、準備は自分でやること。それが
本当の姿。人間の欲というものは尽きることがありません。何かを手に
入れれば、また次のものが欲しくなる。
物質的に何不自由ない状態になればなるほど、「創意」という想いを失って
いく。「制約」があれば、その制約の中でやれることを精一杯やろうとする。
そんな「創意」を忘れないように!という想いを込めて利休さまはこの言葉を
残したのではないでしょうか?
【アバ的利休百首 vol.19】
茶の湯とはただ湯をわかし茶をたててのむばかりなる事と知るべし
まさに!でも、この簡単なことがとても難しい。
≪ バックナンバー ≫
■ 参考文献
【2012年 第2期】
【2011年 第1期】
淡交社
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