【レポート】備前焼展2013 プレミアムスイーツ茶会&シンポジウム ~備前は世界に通用するのか?
備前ART茶会 ~今という日本を感じる @東京ミッドタウン THE COVER NIPPON 2月23日(土)、24日(日)
はじまりました「備前焼展2013」!
僕の担当は再来週ですが、今週末もいろんな茶会が開催されました!
シンポジウムを聞きに行くつもりで会場を覗いたところ
「ちょうど空きが出たのでプレミアムスイーツ茶会に参加しませんか?」
と声をかけて頂いたので図々しく参加してきました。
たまにはお客様になるのもいいものですね。
どうです?ハーゲンダッツのカップがすっぽりと収まる
備前焼の専用カップホルダー。くう~。欲しい~。これだけで
さらにプレミアム感が増しますね!笑
【シンポジウム】備前焼から世界へのメッセージ ~本当に世界に通用するのか
備前焼作家「金重有邦さん」 × TRUNK代表「桐谷登士樹さん」
備前焼作家「隠崎隆一さん」 × 金沢21世紀美術館 館長「秋元雄士さん」
のセッション。3時間もの長丁場だったにも関わらず、気が付いたら終わっていた!
というくらいめちゃくちゃ面白い話がたくさん聞けました。全部書きたいけど、頭の中が
く~るくるになっちゃうので抜粋。
「形のないものは美しい」by 金重有邦
僕みたいに「モノを作る」ことができない人間からすると「形あるものを作る」という行為は
とてつもなくうらやましい才能。でも、逆にモノを創り出せる方からすると自分が作ったものが
残るということはある意味とても怖いことなのだなと。
いいものが出来ればいいけど、そんなものは死ぬまでにひとつあるかないかの世界。
それ以外のものは目の前に置いておくこと自体がある意味の苦痛。。。お互いにないものねだり
なのでしょうね。笑
何が売れるかを考えだしたら作家を辞める by 隠崎隆一
なるほど。売れるもの=自分発信ではなく買い手発信。
それは「創作」ではないということなのでしょうね。だから、作家ならば
自分が創りたいものを作って「どうだ、これ!」というくらいの気概がないとダメだ!
昔、ある方が「自分が作って、これは傑作だ!」と思ったものに限って売れない。
「これは駄作だ。。。」と思ったものが売れたりする。。。わからんねえ~。と。
隠崎さん曰く、「これは傑作だ!と思ったら値段なんてつけられない。だから、そういう
ものはあげるしかない。」とのこと。なるほど、自分の子供に値段をつけるようなものです
もんね。すごい!
と、いろいろと目から鱗でした。
そして、「備前は世界に通用するのか?」という議論。全体の議論を僕なりに咀嚼すると
「世界に通用すると考えているうちはダメ。世界に共感、共鳴させられるような
ものを作って見せつけることで評価してもらうべき!」
金重有邦さんが笑いながら「備前のよさなんて海外の人にわかるわけない!」なんて言っていましたが
まんざら言い過ぎではない気がします。西洋美術を見るとき、僕は何だか色や装飾をしすぎているような
気がしてしまいます。
先日、NYで「MoMA」に行った時も絵自体はいいんだけど「この額邪魔やなあ~」と思うことが何度も
ありました。日本人は「余白の美学」。書道にしても日本絵画にしてもびっちり埋め尽くすのではなくて
余白が大事だと言われます。そんなセンスの中で生活をしている人と対極にある人のセンス。
これを同じものさしで評価するのは結構大変そうだ!
でも、その中でも変わり者もいるはず!そんな人たちに評価してもらえればいいのかもしれませんね。