茶道具のいろは『建水』
建水
点前中に茶碗をすすいだお湯や水を捨てる容器です。
「水こぼし」または「こぼし」と呼ばれることもあります。どのようなお点前においてもなくてはならない道具のひとつです。
古くからある「唐銅(写真左)」などの金属製の他、陶磁、木竹で作られるようになり、材質はほぼこの三種類に集約されます。
【参考文献】点前道具〈下〉扱いと心得 (茶道具百科)/淡交社編集局編
アバ茶流「建水」の解釈
すすいだお湯や水を入れることから「陰」の道具として扱われるため、茶道具の中でも蓋置とあわせて脇役的な道具の筆頭と言えます。そのため、「茶碗」や「茶入」のようなメインアイテムと比べると作品のバリエーションがないのは残念です。
作り手としては多くの人に見られる道具を作りたいというのは必然ですね。完全な主観です。笑
でも、ファッションでも本当のオシャレは「足元」からなんて言われます。どんなにステキなスーツ、シャツ、ネクタイをしていても「靴」がダサくては全てが台無しです。
「建水」はファッションで言うところの「靴」と似た存在です。見ている人にはわかる!ちょっとした「通」的な楽しみを見出せる茶道具の一つなのです。着物やスーツも「裏地」にこだわっている人を見るとオシャレだなあと感じるのも似た感覚ですね。
なので、建水や蓋置を褒められたり、拝見所望されたとき、亭主としてはそこまでちゃんと見てくれていたんだ!と心の中でガッツポーズしたくなるものです。
2009年にアバンギャルド茶会を始めたとき、納得いく「建水」をみつけることができず、当時はこの無印良品で見つけた「ボール」を建水代わりに使っていました。
「いいなあ~」と思える建水にも巡りあえるようになってきましたが、まだまだ建水を捜す旅は続くのです!笑